目次

「蜘蛛の肢は生けるが如く蠕動(ぜんどう)した」

Page Type Example
Example ID a0861
Author 谷崎潤一郎
Piece 「刺青」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 20

Text

重く引き入れては、重く引き出す肩息に、蜘蛛の肢は生けるが如く蠕動(ぜんどう)した。

Context Focus Standard Context
蜘蛛の肢は 生ける 蠕動した

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 生ける = 蠕動する 上下動する=生きる

Grammar

Construction AはBがごとくC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Source
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-既出のものに関する判断の主題
2 B が[ごとく] C が-格助詞「の」に同じ
3 B [が]ごとく C ごとし-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
迫真法・活写法・現前化 (hypotyposis) 刺青の模様である蜘蛛が針を出し入れするたびに動く様子を、「生ける」という生命性を表す動詞を結びつけることで、単なる模様であるはずの刺青に生き生きとした迫真性が感じられる。
心理描写 (psychological-description) 発話者の目に刺青がどう映ったのかが、刺青そのものの特徴として描かれている。