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「消えかかった記憶の糸を手繰り」

Page Type Example
Example ID a0847
Author 谷崎潤一郎
Piece 「吉野葛」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 273

Text

この老媼は彼の熱心な質問の前にオドオドしながら、もう消えかかった記憶のを手繰り手繰り歯の抜けた口から少しずつ語った。

Context Focus Standard Context
消えかかった 記憶 を手繰り

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 記憶 記憶=糸

Grammar

Construction AのBをC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B の-同格(同じ内容)
2 B C を-目的・目標(他動詞)

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 失いかけているがそれでも思いおこすことが可能な記憶の性質を、糸の持つ脆さと手繰ることが可能であるという性質を引き合いに出して具体化している。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 記憶同士の連関が、糸によって物理的に接続されておりいるような印象を与える。