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「その紙は、こんがりと遠火にあてたような色に変っていた」

Page Type Example
Example ID a0842
Author 谷崎潤一郎
Piece 「吉野葛」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 268

Text

少くとも明治十年以前、母が大阪へ売られてから間もなく寄越された文だとすれば、もう三四十年は立っているはずのその紙は、こんがりと遠火にあてたような色に変っていたが、紙質は今のものよりもきめが緻密で、しっかりしていた。

Context Focus Standard Context
こんがりと遠火にあてた

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern

Grammar

Construction AはBようなCにD
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D は-既出のものに関する判断の主題
2 B ような C 様-類似-連体形
3 C D に-変化・帰着させる状態

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) 紙が経年による変色によって焦げ茶色となっていることを、火に当てた焦げ色を想起させることでわかりやすく表現する。