目次

「あの鼓を見ると自分の親に遇ったような思いがする」

Page Type Example
Example ID a0840
Author 谷崎潤一郎
Piece 「吉野葛」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 247

Text

自分は忠信狐ではないが、初音の鼓を慕う心は狐にも勝るくらいだ、自分は何だか、あの鼓を見ると自分の親に遇ったような思いがする、と、津村はそんなことを云い出すのであった。

Context Focus Standard Context
自分の親に遇った あの鼓を見る

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 遭う = 見る 見る=あう
2 = 鼓=親

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B は-既出のものに関する判断の主題
2 何だか B 超然(ちょうぜん)
3 B ような[思いがする] 様-類似-連体形
4 B [ような]思い[がする] 思い(おもい)
5 B [ような思い]が[する] が-主語
6 B [ような思いが]する する(する)

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) 鼓の音に対して心理的な近しさや懐かしさを感じることを、親という近しく、懐かしい存在との遭遇によって引き起こされる感情を想起させることで分かりやすく表現する。
心理描写 (psychological-description) 親に抱く懐かしさを引き合いに出すことで、鼓の音に対して感じた心理的な近しさや懐かしさを描いている。