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「柹(かき)の粒が、瞳のように光っている」

Page Type Example
Example ID a0833
Author 谷崎潤一郎
Piece 「吉野葛」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 229

Text

八百屋の店先に並べてある柹(かき)が殊に綺麗であった。キザ柹、御所柹、美濃柹、いろいろな形の柹の粒が、一つ一つ戸外の明りをそのつやつやと熟し切った珊瑚色の表面に受け止めて、のように光っている。

Context Focus Standard Context
柹の粒 光っている

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 ひとみ = つつじ=ひとみ

Grammar

Construction AがBのようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C が-主語
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) ダイヤモンドのような強く光り輝くものではない事物を引き合いに出すことで、誇張を交えない柿の輝き方の実態に即した表現とする。
明晰 (clarity) 瞳の輝きを引き合いに出すことで、明かりを受けた柿の様子を分かりやすく想起させる。