目次

「格子や建具を、貧しいながら身だしなみのよい美女のように見せている」

Page Type Example
Example ID a0831
Author 谷崎潤一郎
Piece 「吉野葛」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 228

Text

とにかくその障子の色のすがすがしさは、軒並みの格子や建具の煤ぼけたのを、貧しいながら身だしなみのよい美女のように、清楚で品よく見せている。

Context Focus Standard Context
貧しいながら身だしなみのよい美女 軒並みの格子や建具の煤ぼけたの

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 美女 = 建具 建具=美人
2 美女 = 格子 格子=美人

Grammar

Construction AはBをCのようにD
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Target
C Source
D Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D は-既出のものに関する判断の主題
2 B D を-目的・目標(他動詞)
3 C の[ように] D の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
4 C [の]ように D 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
挙例法・例証・範例 (example) 古びてはいるが美しいという背理的な認識をそのまま提示するのではなく、貧しくても身なりをこざっぱりさせている美女という例を添えることで、具体的に想起させる。
明晰 (clarity) 古びてはいるが美しいという背理的な認識をそのまま提示するのではなく、貧しくても身なりをこざっぱりさせている美女という具体例を添えることで、分かりやすく提示している。