目次

「黒い塊が導火線を這うように驀地(まっしぐら)にせりあがってきた」

Page Type Example
Example ID a0820
Author 坂口安吾
Piece 「村のひと騒ぎ」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 27

Text

すると、突然谷底の窪地から一つの黒い塊が湧きあがってきて導火線を這うように驀地(まっしぐら)にせりあがってきたが、音もたてずに百兵衛の腰へしがみつくと二人は全く一つになつて畑の中へめり込んでいた。

Context Focus Standard Context
黒い塊が 導火線を這う せりあがる

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 はう = せり上がる 上がり詰める=はう

Grammar

Construction AがBようにC-D
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D が-主語
2 B ように C 様-類似-連用形
3 C - D 統語関係

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 導火線を進む火の直線性を想起させることで、谷底から湧きあがる黒雲が真っすぐに素早く村に迫っているという印象を与える。
評価 (evaluation) 導火線の先に爆発物があることを想起させることで、黒雲の移動に対して不吉さや恐ろしさという評価性を付与する。