目次

「何本もの飛ぶ矢に似た真空が閃光を散らして騒いでいる」

Page Type Example
Example ID a0819
Author 坂口安吾
Piece 「風博士」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 17

Text

全てこれらの狼狽は極めて直線的な突風を描いて交錯するために、部屋の中には何本もの飛ぶ矢に似た真空が閃光を散らして騒いでいる習慣であった。

Context Focus Standard Context
何本もの飛ぶ矢 真空

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 真空 真空=矢

Grammar

Construction Aに似たB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A に[似た] B に-比較の基準
2 A [に]似た B 同じゅうする(おなじゅうする)

Pragmatics

Category Effect
誇張法 (hyperbole) 部屋中の者が狼狽している様子を誇張的に表現するために、真空が閃光を散らすという非現実的な事態を描き、それらの騒ぎ飛ぶ速度を矢として表示することで狂騒感を強める。
イメジャリー・イメージ (imagery) 真空が閃光を散らすという非現実的な事態に、飛ぶ矢の素早さや勢い、直線的な軌道が感じられる。