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「校長は狸のような眼をぱちつかせて」

Page Type Example
Example ID a0799
Author 夏目漱石
Piece 「坊っちゃん」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 31

Text

旅費は足りなくっても嘘をつくよりましだと思って、到底あなたのおっしゃる通りにゃ、出来ません、この辞令は返しますと云ったら、校長はのような眼をぱちつかせておれの顔を見ていた。

Context Focus Standard Context
校長

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 たぬき = 校長 会長=犬

Grammar

Construction AはBのようなCをD
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ような] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ような C 様-類似-連体形
4 C D を-目的・目標(他動詞)

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 狸のぱっちりとした目のイメージを用いて、校長の大きな目を描写している。
アナロジー・類推 (analogy) 目のイメージの類似性にもとづいて、狸の人を化かすという想像上の行為と旅費に対する融通を利かせる(嘘をつく)こととの類比関係を作っている。