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「糸のような細さに見える渓流」

Page Type Example
Example ID a0783
Author 中島敦
Piece 「名人伝」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 16

Text

ムッとした紀昌を導いて、老隠者は、そこから二百歩ばかり離れた絶壁の上まで連れて来る。脚下は文字通りの屏風のごとき壁立千仭(へきりつせんじん)[=そびえ立っていること]、遥か真下にのような細さに見える渓流をちょっと覗いただけでたちまち眩暈を感ずるほどの高さである。

Context Focus Standard Context
渓流 細さ

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 渓流 小川=糸

Grammar

Construction AのようなB-C
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ような] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ような C 様-類似-連体形
3 B - C 統語関係

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 糸は太さのない線のように見えるというイメージを利用して、遥か眼下に見下ろす渓流が細く見えることを表現する。
含意法 (implication) 川が糸のような極めて細い事物と見まがうほど、高いところにいることを含意する。