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「馬は山であった」

Page Type Example
Example ID a0775
Author 中島敦
Piece 「名人伝」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 11

Text

ある日ふと気が付くと、窓の虱(しらみ)が馬のような大きさに見えていた。占めたと、紀昌は膝を打ち、表へ出る。彼は我が目を疑った。人は高塔であった。馬はであった。

Context Focus Standard Context

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 象=山

Grammar

Construction AはBである
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B は-既出のものに関する判断の主題
2 B で[あった] て-補助用言に連なる用法
3 B [で]あった ある(ある)

Pragmatics

Category Effect
前景化 (foregrounding) 虱を見続けるという修行を行い続けることで、あらゆるものが巨大に見え始めるという特殊な知覚を背景として、馬がそれよりも遥かに大きいものとして見えることを前景化している。