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「下駄の一ツが腹を出して死んだようにころがっていた」

Page Type Example
Example ID a0760
Author 幸田露伴
Piece 「観画談」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 109-110

Text

つい入口近くには土だらけの腐ったような草履が二足ばかり、古い下駄が二、三足、特に歯の抜けた下駄の一ツがひっくり返って腹を出して死んだようにころがっていたのが、晩成先生のわびしい思を誘った。

Context Focus Standard Context
腹を出して死んだ ころがっていた 下駄の一ツがひっくり返って

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 死ぬ = ころがる 転がる=死ぬ

Grammar

Construction AがBようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Source
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C が-主語
2 B ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
活喩 (prosopopeia) 下駄としての役目を失っているものであるという評価を、生命体がその役割・機能を果たすことが不可能となる死亡状態として捉えている。
イメジャリー・イメージ (imagery) うつ伏せになって行動することが常である動物が、あお向けになって腹を出して死んでいるイメージを用いて、下駄が誰からも顧みられることなくうち捨てられている様子を描写する。