「恐ろしい大きな高い巌が前途(ゆくて)に横たわっていて、あのさきへ行くのか知らんと疑われるような覚束ない路を辿って行くと、辛うじてその岩岨(いわそば)に線のような道が付いていて、是非なくも蟻の如く蟹の如くになりながら通り過ぎてはホッと息を吐くこともあって、何だってこんな人にも行会わぬいわゆる僻地窮境に来たことかと、聊(いささ)か後悔する気味にもならざるを得ないで、薄暗いほどに茂った大樹の蔭に憩いながら明るくない心持の沈黙を続けていると、ヒーッ、頭の上から名を知らぬ禽(とり)が意味の分らぬ歌を投げ落したりした。」
Context | Focus | Standard | Context |
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蟹 | 晩成先生 | になりながら通り過ぎ |
Construction | AのごとくになりながらB |
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Mapping Type | 概念メタファー |
Lexical Slots | Conceptual Domain |
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A | Source |
B | Elaboration |
Preceding | Morpheme | Following | Usage | |
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1 | A | の[ごとくになりながら] | B | の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合 |
2 | A | [の]ごとく[になりながら] | B | ごとし-類似-連用形 |
3 | A | [のごとく]に[なりながら] | B | に-行われ方・あり方 |
4 | A | [のごとくに]なり[ながら] | B | 変質する(へんしつする) |
5 | A | [のごとくになり]ながら | B | ながら-動作・作用が並行して行われる事態 |