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「冷りとするような突き詰めた考え」

Page Type Example
Example ID a0743
Author 幸田露伴
Piece 「太郎坊」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 22

Text

ところが世の中のお定まりで、思うようにはならぬ骰子の眼という習いだから仕方が無い、どうしてもこうしてもその女と別れなければならない、強いて情を張ればその娘のためにもなるまいという仕誼に差懸った。今考えても冷りとするような突き詰めた考えも発さないでは無かったが、待てよ、あわてるところで無い、と思案に思案して生きは生きたが、女とはとうとう別れてしまった。

Context Focus Standard Context
冷りとする 考え 突き詰めた

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern

Grammar

Construction AようなB-C
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A ような C 様-類似-連体形
2 B - C 統語関係

Pragmatics

Category Effect
婉曲語法 (euphemism) 「生きは生きたが」という後続文脈から、自死を婉曲的に表現していると解釈できる。危険をぎりぎりで回避する「ひやりとする」という表現を用いて、この文脈では自死という特定の危険を示唆している。