目次

「主人は茹蛸のようになって帰って来た」

Page Type Example
Example ID a0738
Author 幸田露伴
Piece 「太郎坊」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 10

Text

主人は打水を了えて後満足げに庭の面を見わたしたが、やがて足を洗って下駄をはくかとおもうとすぐに下女を呼んで、手拭、石鹸、湯銭等を取り来らしめて湯へいってしまった。返って来ればチャンと膳立てが出来ているというのが、毎日毎日版に摺ったように定まっている寸法と見える。やがて主人はまくり手をしながら茹蛸のようになって帰って来た。

Context Focus Standard Context
茹蛸 主人 なって帰ってきた

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 たこ = 主人 夫=軟体動物

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ようになって] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように[なって] C 様-類似-連用形
4 B [のように]なって C 変質する(へんしつする)

Pragmatics

Category Effect
イディオム・慣用表現 (idiom) 「茹蛸のように」という顔の赤さを強調する慣用的な比喩表現を用いている。