目次

「あたかも『はらいそ』の光を望んだやうに、『ろおれんぞ』の姿を見守られた」

Page Type Example
Example ID a0733
Author 芥川龍之介
Piece 「奉教人の死」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 206

Text

ああ、これは又何とした事でござらうぞ。ここまで申された伴天連(ばてれん)は、俄にはたと口を噤んで、あたかも『はらいそ』の光を望んだやうに、ぢつと足もとの『ろおれんぞ』の姿を見守られた。

Context Focus Standard Context
「はらいそ」の光を望んだ 「ろおれんぞ」の姿を見守られた

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 望む = 見守る 見入る=望む

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Source
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A は[あたかも] C は-既出のものに関する判断の主題
2 A [は]あたかも C ちょうど(ちょうど)
3 B ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 「ろおれんぞ」に対して信徒たちが神聖な気持ちを抱いていることを表す。
共感・感情移入 (sympathy/empathy) キリスト教における目的地である「はらいそ(パラダイス)」を眼前 に見る喜びと喚起される敬虔な気持ちを想起させる。