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「酒甕(さかがめ)のやうな体のまはり」

Page Type Example
Example ID a0696
Author 芥川龍之介
Piece 「地獄変」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 110

Text

そこへ肥つた体中の血が、鎖に循環を止められたので、顔と云はず胴と云はず、一面に皮膚の色が赤み走つて参るではございませんか。が、良秀にはそれも格別気にならないと見えまして、その酒甕(さかがめ)のやうな体のまはりを、あちこちと廻つて眺めながら、同じやうな写真の図を何枚となく描いて居ります。

Context Focus Standard Context
酒甕

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 酒甕 = 体=かめ

Grammar

Construction AのようなB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ような] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ような B 様-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
誇張法 (hyperbole) 丸みを帯びた形状である甕になぞらえることよって、太った体の丸さに際立ちが与えられる。
人物描写 (description of a character) 甕になぞらえることよって、丸々と太った体型であることを描く。