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「五位は、両手を蠅でも逐(お)ふやうに動かして」

Page Type Example
Example ID a0685
Author 芥川龍之介
Piece 「芋粥」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 81

Text

童児たちは、有仁の語につれて、新な提の中から、芋粥を、土器に汲まうとする。五位は、両手を蠅でも逐(お)ふやうに動かして、平に、辞退の意を示した。

Context Focus Standard Context
五位は、両手を 蠅でも逐(お)ふ 動かして 辞退の意を示した

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 逐ふ = 動かす 動く=追う

Grammar

Construction AはBをCようにD
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Target
C Source
D Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D は-既出のものに関する判断の主題
2 B D を-目的・目標(他動詞)
3 C ように D 様-類似-連用形

とし、「五位は」を共通的な動作主としてElaborationとした。

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) 蠅を追い払うときに行う横方向への反復移動を想起させることで、芋粥を断る手の動きの様態を具体的にわかりやすくする。
心理描写 (psychological-description) 蝿を追い払う行為が引き合いに出されていることから、辞意を示す五位が鬱陶しさや苛立ちを感じていたという印象を与える。