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「赤い真綿のやうな火が、ゆらゆらする」

Page Type Example
Example ID a0683
Author 芥川龍之介
Piece 「芋粥」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 76

Text

やがて、人のけはひが止んで、あたりは忽ち元のやうに、静な冬の夜になつた。その静な中に、切燈台の油が鳴る。赤い真綿のやうな火が、ゆらゆらする。

Context Focus Standard Context
赤い 真綿

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 真綿 = 火=衣料

Grammar

Construction AのようなB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ような] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ような B 様-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) 赤い真綿の色と柔らかさになぞらえることで、灯台の火に感じられた柔らかな質感と火の赤さを具体的に想起させる。
共感覚表現・共感覚的比喩 (synesthesia) 視覚をつうじて捉えられる火に対して、柔らかさという触覚的な感触が付与される。