目次

「霜に焦げた天鵞絨(びろうど)のやうな肩を出してゐるのは、比叡の山であらう」

Page Type Example
Example ID a0676
Author 芥川龍之介
Piece 「芋粥」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 63

Text

東山の暗い緑の上に、霜に焦げた天鵞絨(びろうど)のやうな肩を、丸々と出してゐるのは、大方、比叡の山であらう。

Context Focus Standard Context
霜に焦げた天鵞絨 比叡の山

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 天鵞絨 = 山=フランネル

Grammar

Construction AのようなB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ような] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ような B 様-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) びろうどの色を参照させることによって、比叡山の稜線の暗い緑の質感を具体化する。
明晰 (clarity) 「霜に焦げた」という指定から、びろうどそのもののように滑らかな美しさではなく疎らであることが理解できる。
風景描写 (scene-description) びろうどの色を引き合いに出して比叡山の姿を描写している。