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「置き忘れたような運水車」

Page Type Example
Example ID a0649
Author 芥川龍之介
Piece 「蜜柑」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 20

Text

徐に汽車は動き出した。一本ずつ眼をくぎって行くプラットフォオムの柱、置き忘れたような運水車、それから車内の誰かに祝儀の礼を云っている赤帽――そう云うすべては、窓へ吹きつける煤煙の中に、未練がましく後へ倒れて行った。

Context Focus Standard Context
置き忘れた (置かれている) 運水車

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 置き忘れる = 置く 敷く=忘れる

Grammar

Construction AようなB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A ような B 様-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 誰かが「置き忘れた」ものの典型的なイメージを喚起し、運水車が動いておらず人も乗っていないことを示唆する。
心理描写 (psychological-description) 車窓の外で流れていく運水車が自分にとって無価値な事物の一つであるという評価が感じられる。
風景描写 (scene-description) 車窓から見えた運水車に「置き忘れ」られたものの寂しさが感じられる。