目次

「どうもあのシャツはただのシャツじゃない」

Page Type Example
Example ID a0629
Author 夏目漱石
Piece 「坊っちゃん」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 111

Text

あの赤シャツがですか。ひどい奴だ。どうもあのシャツはただのシャツじゃないと思ってた。

Context Focus Standard Context
あのシャツはただの シャツ () じゃない

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 シャツ > 人間 ブラウス>人間
2 人間 > シャツ 人間>ブラウス

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
ユーモア (humour) 「シャツ」は「男」に対するあだ名として用いられているが、「ただのシャツ」が典型的に換喩的に意味する人物が、あまり明確でないため、それを前提していることからおかしみが感じられる。
地口・しゃれ (pun) 「…はただの…じゃない」という構文に入ることで、字義的な意味が喚起され、シャツについての文字通りの品評と、人物評が二重化されている。
誇張法 (hyperbole) 「ひどい奴」だという文脈から、「シャツ」が表す人物のマイナスの面が強調されている。
同語反復・トートロジー (tautology) 「あのシャツはただのシャツ」が「シャツ」の繰り返しになっており、それが指す人物に対する評価がおかしみとともに感じられる。