目次

「風である。インフルエンザに犯されたのである」

Page Type Example
Example ID a0626
Author 坂口安吾
Piece 「風博士」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 20

Text

何となれば姿が見えないではないか。これ風以外の何物でもあり得ない。である。しかり風である風である風である。諸氏はなお、この明白なる事実を疑るのであろうか? それは大変残念である。それでは僕は、さらに動かすべからざる科学的根拠を附け加えよう。この日、かの憎むべき蛸博士は、あたかもこの同じ瞬間において、インフルエンザに犯されたのである。

Context Focus Standard Context
(風邪) である。…インフルエンザに犯されたのである

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 風邪 呼吸器病=風

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
同音異義 (homonymy) 同音性にもとづいて、「風」を「風邪」と混同している。
誇張法 (hyperbole) 「風」と「風邪」を意図的に「科学的根拠」として誇張的に述べている。
ユーモア (humour) 「風」と「風邪」の混同を誇張的に述べることで、遊戯性が際立つ。