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「水の一杯にふくれ上っている川」

Page Type Example
Example ID a0617
Author 谷崎潤一郎
Piece 「秘密」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 26

Text

そこには小網町(こあみちょう)や小舟町辺の掘割と全く趣の違った、幅の狭い、岸の低い、水の一杯にふくれ上っている川が、細かく建て込んでいる両岸の家々の、軒と軒とを押し分けるように、どんよりと物憂く流れていた。

Context Focus Standard Context
ふくれ上っている (満ちている)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 ふくれる = 満ちる 満ちる=膨れる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 狭い川幅や両岸に犇めく家並みの密集性とは対称的に川の水かさが多いことを、体積の増加を表す「ふくれ上がる」という動詞を用いることで、今にも溢れ出そうな印象を与える。。
風景描写 (scene-description) 体積増加のイメージを利用して、川の水かさが高く上がっている様子を描いている。