目次

「一掬(いっきく)の泪(なみだ)を惜しまない」

Page Type Example
Example ID a0583
Author 坂口安吾
Piece 「村のひと騒ぎ」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 28-29

Text

全く、同情ある読者諸兄は彼等の心情に一掬(いっきく)の泪(なみだ)を惜しまないであろうが、彼等は今や一年に一度の、いや、恐らく一生に一度かも知れたものではない山海の珍味を失おうとしているのだ。

Context Focus Standard Context
一掬の泪 (泣くこと) を惜しまない

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 > 落涙 涙>泣き笑い

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
側写法 (metalepsis) 「泪」によってそのような生理的反応を引き起こす感情の動きを示唆する。
過大誇張 (auxesis) 両手で救うほどの量を表す「一掬」によって、流す涙の量と、それを引き起こす感情の大きな動きを示す。
イディオム・慣用表現 (idiom) 少量の涙を指す言い回しとして慣習化した「一掬の涙」を用いている。