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「問題は彼の口である」

Page Type Example
Example ID a0576
Author 坂口安吾
Piece 「村のひと騒ぎ」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 23

Text

彼の注射は早くから評判が高かったので、どんなに熱の高い病人でも譫言(うわごと)や悪夢のなかで注射の針を逃げまわっていた。だから、その方面の間違いは決して起るはずがなかったのだ。問題は彼のである。

Context Focus Standard Context
問題は彼の (話すこと) である

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 > 言葉 口>言葉

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
対照法・対照 (antithesis) 「問題」の原因として、注射との間で対比を生む。
描写 (description) 注射との間での対比をもとにして、「問題」がの原因が「彼」の口の軽さにあることを指摘する。
側写法 (metalepsis) 口という器官によって、「口の軽さ」という、それを用いて行われる伝達行為に関わる「彼」の性質を迂言的に指す。
省略法・省略 (ellipsis) 「口が軽い(口の軽さ)」という慣習的な表現を、その中心要素である「口」によって代表させる。
イメジャリー・イメージ (imagery) 「口が軽い」という「彼」の性格上の問題が、あたかもその口そのものの機能的な問題であるかのように感じさせる。