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「間のぬけた五位の顔にも『人間』が覗いてゐる」

Page Type Example
Example ID a0535
Author 芥川龍之介
Piece 「芋粥」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 54

Text

それ以来、この男の眼にだけは、五位が全く別人として、映るやうになつた。栄養の不足した、血色の悪い、間のぬけた五位の顔にも、世間の迫害にべそを掻いた、『人間』が覗いてゐるからである。この無位の侍には、五位の事を考へる度に、世の中のすべてが急に本来の下等さを露すやうに思はれた。

Context Focus Standard Context
間のぬけた五位の顔にも 人間 (人間性) が覗いてゐる

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 人間 > 人間性 人間>人柄

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
換称 (antonomasia) 「人間」と一般的な括りで表現する。それにより、個別の人間の苦しみではなく、人類全体の苦しみが見えているかのように表現する。