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「はや不快の雲は名残無く吹き掃われて」

Page Type Example
Example ID a0366
Author 幸田露伴
Piece 「太郎坊」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 18

Text

主人もそれを見て無言になってしばしは何か考えたが、やがて快活な調子になって、『ハハハハハハ。』と笑い出した。その面上にははや不快の雲は名残無く吹き掃われて、その眼は晴やかに澄んで見えた。この僅少の間に主人はその心の傾きを一転したと見えた。

Context Focus Standard Context
不快の雲は 吹き掃われて (なくなって)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 吹き払う = 消す 消える=払う

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
縁語・縁装法 (-) 直前の「不快の雲」を受け、雲に関するイメージによる心理描写を展開する。
心理描写 (psychological-description) 不快という感情が消えてなくなり、心地よい気持ちになるという変化が表現されている。
イメジャリー・イメージ (imagery) 雲が風に吹き流されて消えていき陽の光が照って明るくなる様子を引き合いに出すことで,主人の表情の変化を想起させる。