目次

「めらめらと舌を吐いて立ち昇る烈々とした炎の色」

Page Type Example
Example ID a0357
Author 芥川龍之介
Piece 「地獄変」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 137

Text

火は見る見る中に、車蓋をつゝみました。庇についた紫の流蘇が、煽られたやうにさつと靡くと、その下から濛々と夜目にも白い煙が渦を巻いて、或は簾、或は袖、或は棟の金物が、一時に砕けて飛んだかと思ふ程、火の粉が雨のやうに舞ひ上る――その凄じさと云つたらございません。いや、それよりもめらめらと舌を吐いて袖格子に搦みながら、半空までも立ち昇る烈々とした炎の色は、まるで日輪が地に落ちて、天火が迸つたやうだとでも申しませうか。

Context Focus Standard Context
舌を吐いて (火の粉を飛ばして) 半空までも立ち昇る烈々とした炎の色

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 炎=舌

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
風景描写 (scene-description) 炎が袖格子をしっかりつたって立ち上っていく様子が表現されている。
迫真法・活写法・現前化 (hypotyposis) 炎が袖格子をしっかりつたって立ち上っていく様子が目の前に見るように表現されている。