目次

「別荘の中は殿様の御殿のように、立派な家具家財で飾ってある」

Page Type Example
Example ID a0305
Author 夢野久作
Piece 「いなか、の、じけん」
Reference 『夢野久作全集第1』
Pages in Reference 77

Text

『別荘の中は殿様の御殿のように、立派な家具家財で飾ってあるよ』 『女中みたような若い女が二人と、運転手が下男みたような男衆が六七人とで、そんな家具家財を片付けながら、キャッキャッとフザケ合っていたよ』 『六七台の自動車は日暮れ方にみんな帰ってしまって、後(あと)には若い女中二人と、お吉婆さんと、青い綺麗な籠に這入った赤い鳥が一羽残っているんだよ』 『その赤い鳥は奇妙な声で……バカタレ……馬鹿タレエッて云っていたよ』  というような事実が、その夕方、沖から帰って来た村中の男達に、大袈裟な口調で報告された。

Context Focus Standard Context
殿様の御殿 別荘の中 のように、立派な家具家財で飾ってある

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 御殿 = 別荘 屋敷=殿堂

Grammar

Construction AはBのようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) 御殿という高級な調度で揃えられた住居に比することで、別荘の中が立派な調度類で飾られている様子が具体的に想起される。
過大誇張 (auxesis) 御殿という高級な調度で揃えられた住居に比することで、立派な家具や家財が揃えられている別荘の豪奢な様子に際立ちが与えられている。
風景描写 (scene-description) 別荘の中の様子が、御殿という高級な調度で揃えられた住居に比することで描かれている。