目次

「『やっつけましたので……』と吐き出すように云って」

Page Type Example
Example ID a0286
Author 夢野久作
Piece 「いなか、の、じけん」
Reference 『夢野久作全集第1』
Pages in Reference 63

Text

と巡査部長が眼を光らすと、その前に突立った坑夫体の男が、両手を縛られたまま、うなだれていた顔をキッと擡げた。『ヘエ……そんで……兼吉をやっつけましたので……』と吐き出すように云って、眼の前の机の上に、新聞紙を敷いて横たえてある鶴嘴を睨みつけた。その尖端の一方に、まだ生々しい血の塊まりが粘りついている。

Context Focus Standard Context
吐き出す 云って

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 吐き出す = 言う 言う=吐く

Grammar

Construction AとBのようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
B Source
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C と-内容指定
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) いまいましげに話している様子について、痰や唾などの無価値なものを排出する動作である「吐き出す」という動詞を引き合いに出すことで、言葉も唾や痰に相当する無価値なもの、不快なものという印象を与える。