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「風の葉ずれや、木の実の落ちる音が一歩一歩と近づいて来るように思われる」

Page Type Example
Example ID a0243
Author 夢野久作
Piece 「瓶詰地獄」
Reference 『夢野久作』
Pages in Reference 40

Text

夜になると星の光りや、浪の音や、虫の声や、風の葉ずれや、木の実の落ちる音が、一ツ一ツに聖書の言葉をささやきながら、私たち二人を取り巻いて、一歩一歩と近づいて来るように思われるのでした。そうして身動き一つ出来ず、微睡むことも出来ないままに、離れ離れになって悶えている私たち二人の心を、窺視に来るかのように物怖ろしいのでした。

Context Focus Standard Context
星の光りや、浪の音や、虫の声や、風の葉ずれや、木の実の落ちる音が 一歩一歩と (徐々に) 近づいて来る

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 人間 = 音=人間

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬人法 (personification) 周りの音が一体となって、「言葉」をささやく人間のような印象を与える。
主観化 (subjectification) 文字通りに音が近づいているわけではなく、音への集中の度合いが高まっていくことが描かれている。
イディオム・慣用表現 (idiom) 「一歩」の繰り返しにより、音への集中の度合いが徐々に、しかし着実に、高まっていったという印象を与える。