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「風の葉ずれや、木の実の落ちる音が、聖書の言葉をささやきながら」

Page Type Example
Example ID a0242
Author 夢野久作
Piece 「瓶詰地獄」
Reference 『夢野久作』
Pages in Reference 40

Text

夜になると星の光りや、浪の音や、虫の声や、風の葉ずれや、木の実の落ちる音が、一ツ一ツに聖書の言葉をささやきながら、私たち二人を取り巻いて、一歩一歩と近づいて来るように思われるのでした。そうして身動き一つ出来ず、微睡むことも出来ないままに、離れ離れになって悶えている私たち二人の心を、窺視に来るかのように物怖ろしいのでした。

Context Focus Standard Context
音が 聖書の言葉をささやき (鳴り)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 言葉 = 音=言葉

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 周囲から聞こえる自然の音が、「私たち」の耳には聖書に書かれたことばを述べているように、特定の意味をもつものとして聞こえた、という主観的な認識が表現されている。
擬人法 (personification) 星、浪、虫などに、言葉をささやく人間のような意志や知性が感じられる。