目次

「田舎者でも退却は巧妙だ。クロパトキンより旨いくらいである」

Page Type Example
Example ID a0216
Author 夏目漱石
Piece 「坊っちゃん」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 178

Text

今まで葛練(くずねり)の中で泳いでるように身動きも出来なかったのが、急に楽になったと思ったら、敵も味方も一度に引上げてしまった。田舎者でも退却は巧妙だ。クロパトキンより旨いくらいである。

Context Focus Standard Context
田舎者でも退却は巧妙だ。 クロパトキン () より旨い

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 将軍 > 敗北 将星>敗

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) ロシア将校クロパトキンを引き合いに出して、技術の高さを分かりやすく表現している。
当てこすり (innuendo) 文字通りには、ロシア将校を引き合いに出して技術を褒めているような表現であるが、「クロパトキン」は日露戦争のロシア敗走の象徴であり、退却のみじめさを皮肉に描写している。