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「あの女ときたら、兇悪な大蜥蜴」

Page Type Example
Example ID a0176
Author 中島敦
Piece 「夫婦」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 222

Text

他処からモゴルに来たあの女ときたら、淫乱な牝豚だ。母を知らない家無し女だ。歯に毒をもったヤウス魚。兇悪な大蜥蜴(とかげ)。海の底の吸血魔。残忍なタマカイ魚。

Context Focus Standard Context
兇悪な大蜥蜴 リメイ

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 とかげ = 女=爬虫類

Grammar

Construction AはB-C
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-一般的事物に対する判断の主題
2 B - C 統語関係

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) 一般的な小さいトカゲに対して大蜥蜴の姿の異様さを喚起することで、妻への恐怖心などを表示する。また、爬虫類は冷血動物であることから、妻の心の冷酷さが想起される。
人物描写 (description of a character) 一連の比喩によって「あの女」の下劣さを描いている。
評価 (evaluation) 一連の比喩によって「あの女」に対する否定的評価を示している。
過大誇張 (auxesis) 大蜥蜴のたとえが女への罵倒の強さを増幅させる。
漸層法・クライマックス (climax) 比喩の列挙が進むにしがって否定的評価がより強く感じられる。