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「盥(たらい)ほどもある車渠貝(アキム)」

Page Type Example
Example ID a0142
Author 中島敦
Piece 「幸福」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 205

Text

手槍で大蛸を突き損って胸や腹に吸い付かれ、身体中腫れ上ることもある。巨魚タマカイに追われて生命からがら独木舟に逃げ上ることもある。盥(たらい)ほどもある車渠貝(アキム)[=シャコガイ]に足を挟まれ損ったこともある。

Context Focus Standard Context
車渠貝(アキム)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 たらい = しゃこ 甲殻類=たらい

Grammar

Construction AほどもあるB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A ほど[もある] B ほど-分量・程度
2 A [ほど]も[ある] B も-含蓄的に提示(副詞的修飾語)
3 A [ほども]ある B ある(ある)

Pragmatics

Category Effect
描写 (description) 発話者が足を挟まれそうになったシャコガイの大きさについて、盥という貝よりも大きい事物を引き合いに出すことで、一般の読者が想定している大きな貝よりもさらに大きいものであることを理解させる。
過大誇張 (auxesis) 盥になぞらえることでシャコガイの大きさが強調されている。