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「橋流れて水流れず、と口の中で扱い、胸の中で咬んでいると」

Page Type Example
Example ID a0114
Author 幸田露伴
Piece 「観画談」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 129

Text

間抜な字体で何の語かが書いてある。一字ずつ心を留めて読んで見ると、 橋流水不流とあった。橋流れて水流れず、橋流れて水流れず、ハテナ、橋流れて水流れず、と口の中で扱い、胸の中で咬んでいると、忽ち昼間渡った仮そめの橋が洶々(きょうきょう)と流れる渓川の上に架渡されていた景色が眼に浮んだ。

Context Focus Standard Context
橋流れて水流れず、と口の中で扱い、胸の中で 咬んでいる (理解しようと努めている)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 かむ = 思慮する 思慮する=かむ

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 咬む動作を本来行う口よりも深い場所にある胸の中で行うことから、普通よりも深く考えを反芻するさまが喚起される。
誇張法 (hyperbole) 直前の「口の中で扱い」に続いていることで、考えを深く反芻している様がよりはっきりと感じられる。