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「ビリケン頭に能く実が入っていて」

Page Type Example
Example ID a0074
Author 幸田露伴
Piece 「観画談」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 112

Text

通されたのは十畳位の室で、そこには大きな矮(ひく)い机を横にして此方へ向直っていた四十ばかりの日に焦けて赭い顔の丈夫そうなヅク入が、赤や紫の見える可笑しい程華美(はで)では有るが然しもう古びかえった馬鹿に大きくて厚い蒲団の上に、小さな円い眼を出来るだけ※(=「目+爭」)開(さうかい)してムンヅと坐り込んでいた。麦藁帽子を冠らせたら頂上(てっぺん)で踊を踊りそうなビリケン頭に能く実が入っていて、これも一分苅では無い一分生えの髪に、厚皮らしい赭い地が透いて見えた。そして其の割合に小さくて素敵に堅そうな首を、発達の好い丸※(=二の字点)と肥つた豚のような濶い肩の上にシッカリすげ込んだようにして、ヒョロ/\と風の柳のように室へ入り込んだ大器氏に対って、一刀をピタリと片身青眼に擬つけたといふ工合に手丈夫な視線を投げかけた。

Context Focus Standard Context
ビリケン (とんがり)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 ビリケン > とがり 天人>とがり

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 「ビリケン」の姿を想起させることで,当該人物の外見的特徴を描いている。
明晰 (clarity) 「ビリケン」の姿を想起させることで,当該人物の外見的特徴をわかりやすくする。