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「廻転を止められた独楽(こま)のようにぐるりと一つ大きな円をかきながら」

Page Type Example
Example ID a0052
Author 芥川龍之介
Piece 「ひょっとこ」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 251

Text

その拍子にひょっとこの小柄な体は、どんとそのあおりを食ったように、ひょろひょろ前の方へ三足ばかりよろけて行ったが、それがやっと踏止ったと思うと、今度はいきなり廻転を止められた独楽(こま)のように、ぐるりと一つ大きな円をかきながら、あっと云う間に、メリヤスの股引をはいた足を空へあげて、仰向けに伝馬の中へ転げ落ちた。

Context Focus Standard Context
廻転を止められた独楽 ひょっとこの小柄な体 のように(…)ぐるりと一つ大きな円をかきながら

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 独楽 = 身体=手玉

Grammar

Construction AはBのようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-一般的事物に対する判断の主題
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 体が一回転しながら、足を上にして転げ落ちるという当該の若干複雑な動作を、回転を止められた独楽が一回転しつつ心棒を上にしながら止まるという遊びで見かける情景によそえることでイメージを想起する補助とする。